2025-03-18
子どもや孫に財産を渡すときは「相続時精算課税制度」を利用すると、一定額までの贈与に贈与税がかかりません。
ただし、相続税を減らすためには、制度の注意点も知っておく必要があります。
そこで今回は、相続時精算課税制度とはなにか、相続時精算課税の計算方法や注意点を解説します。
山口県福岡県全域で相続予定の方は、ぜひ参考になさってください。
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相続時精算課税制度とは、贈与税の申告書と一緒に「相続時精算課税選択届出書」を提出すると、累計2,500万円までの贈与が非課税になる制度です。
申告は、贈与された年の翌年2月1日から3月15日までの間におこなわなければいけません。
同じ父母や祖父母からの贈与であれば、2,500万円に達するまでは何度贈与を受けても非課税になります。
さらに、贈与者ごとに制度の適用を選ぶことができるので、「父親からは相続時精算課税」「祖父からは暦年課税」などの使い分けも可能です。
ただし、相続時精算課税制度を使った贈与者が亡くなって相続が始まると、生前に贈与された分も相続財産に合算される点に注意が必要です。
相続時精算課税制度を正しく理解するには、まず贈与税と相続税の関係を知っておく必要があります。
相続税は「亡くなった方から相続などによって財産を受け取ったときにかかる税金」です。
一方、贈与税は「生きている個人から財産を贈与(生前贈与)によって受け取ったときにかかる税金」になります。
もし、生前に財産を贈与して相続税を減らそうとしても、贈与した時点で贈与税がかかるため、課税を回避できるわけではありません。
このように、贈与税は相続税を補完する役割を持っているのです。
贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2種類があります。
暦年課税とは、1月1日から12月31日までの1年間に受け取った贈与財産の合計金額から、基礎控除額である110万円を差し引いた残りに対して課税する仕組みです。
したがって、1年間に受け取った贈与財産の合計が110万円以下なら、贈与税はかからず、申告も不要です。
ただし、暦年課税を選択していても、相続開始前3年以内(2024年1月以降は7年以内)におこなわれた贈与は、相続税の計算に加算される点にご注意ください。
相続時精算課税制度は、どなたでも利用できるわけではなく、以下の条件を満たす必要があります。
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2024年1月1日以降に相続時精算課税制度を選択した場合、年間110万円までは贈与税がかからず、申告義務もなくなりました。
ただし、最初に制度を選ぶ年だけは「選択届出書」の提出が必要です。
さらに、将来相続が発生したとき、年間110万円以内で贈与した分については相続財産に合算しなくても良いことになりました。
つまり、年間110万円までなら非課税となります。
ただし、110万円を超えた分は累積額としてカウントされ、合計で2,500万円を超えると、超過部分に一律20%の贈与税がかかります。
しかし、相続時精算課税制度に係る贈与税は、相続発生時にかかる相続税額から控除されるため、最終的に税負担が増える心配はありません。
相続時精算課税を選択した財産については、その選択をした年以降、「特定贈与者」からの贈与分をほかの方からの贈与分とは分けて、1年間に受け取った財産の合計額をもとに贈与税を計算します。
計算の流れは、以下のとおりです。
一方、相続時精算課税を選択していない方(特定贈与者以外)からの贈与については、通常の「暦年課税」で計算します。
つまり、1年間に受け取った財産の合計額から暦年課税の基礎控除110万円を引いた残りに、暦年課税の税率をかけて計算します。
なお、同じ年に2人以上の特定贈与者から贈与を受けた場合は、基礎控除110万円をそれぞれの贈与税の課税価格に応じて按分(あんぶん)しましょう。
たとえば、父から600万円、母から400万円の贈与を受ける場合、「基礎控除(非課税枠)110万円」を父と母の贈与それぞれに分けて適用できます。
父からの贈与に66万円分、母からの贈与に44万円分というように、父・母それぞれへの贈与額に応じて振り分けができるわけです。
「相続時精算課税」を選択した受贈者が、特定贈与者の死亡によって相続が発生した場合、以下の手順で相続税を計算します。
これらを合計した金額をもとに相続税を計算し、そこからすでに支払った「相続時精算課税に係る贈与税相当額」を差し引きます。
もし、この差し引ききれなかった額がある場合は、相続税の申告をおこなうと還付を受けることが可能です。
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相続時精算課税制度を利用する際の注意点は、以下の3つです。
相続時精算課税制度は、税金が免除されるのではなく「納税を先送りにする」ための仕組みです。
実際に相続が始まったときには、贈与した分もすべて相続財産に合算して相続税を計算するため、直接的に節税になるわけではありません。
状況によっては結果的に税負担が軽くなるケースもありますが、必ずしも納税額が減るわけではないことを理解しておきましょう。
物納とは、相続税を現金ではなく、不動産や有価証券などの財産で納める制度です。
相続時精算課税制度を利用して生前に贈与を受けた財産は「物納」の対象になりません。
相続税の対象には、現金や預金だけでなく、土地や建物なども含まれます。
そのため、相続で引き継いだ財産より相続税のほうが割高になり、税金を支払えないケースも珍しくありません。
生前贈与を検討する際には、将来の相続税をどのように支払うかも含め、資金計画をしっかり立てることが重要です。
亡くなる前の一定期間(改正前は3年以内、2024年1月1日以降は7年以内)におこなった贈与については、贈与分を相続財産にくわえたうえで相続税を計算する仕組みです。
上記の仕組みを「生前贈与加算」といいます。
生前贈与加算の対象にしたくない場合、亡くなる直前に贈与することは控えましょう。
相続時精算課税制度や加算期間の改正を踏まえ、タイミングをしっかり検討しながら生前贈与をおこなうことが大切です。
相続時精算課税制度とは、贈与税の申告時に選択すると、累計2,500万円までの贈与が非課税になる制度です。
相続時精算課税制度を選択すると、贈与税の申告時に、最大2,500万円の特別控除額を差し引いて計算することができます。
注意点は、必ずしも節税になるとは限らない点や物納ができない点、生前贈与加算の3つです。
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