契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いや不動産売却時のポイントを解説

2024-11-12

契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いや不動産売却時のポイントを解説

この記事のハイライト
●契約不適合責任は2020年4月の民法改正によって瑕疵担保責任の代わりに設けられた制度である
●契約不適合責任と瑕疵担保責任は法的性質や責任を問える範囲などに違いがある
●不動産売却の際に契約不適合責任を負わないためには不動産の正確な状態を契約書に記載するなどのポイントを押さえることが大切

売却した不動産に欠陥があると、売主は責任を問われてしまいます。
その責任は、以前は瑕疵担保責任と呼ばれるものでしたが、民法改正によって契約不適合責任に変わりました。
そこで今回は、契約不適合責任と瑕疵担保責任との違いや、不動産売却時に押さえておくべきポイントを解説します。
山口県や福岡県の全域で不動産売却をご検討中の方は、ぜひご参考になさってください。

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契約不適合責任の概要と民法改正で瑕疵担保責任から変わった背景

契約不適合責任の概要と民法改正で瑕疵担保責任から変わった背景

不動産売却の際は、契約不適合責任に注意が必要です。
契約不適合責任を負ってしまうと、契約解除になってしまう可能性もあります。
そこまでの事態にはならなくても、売主にさまざまな影響が生じてしまいます。
まず、契約不適合責任の概要を確認しておきましょう。

契約不適合責任の概要とは

契約不適合責任とは、引き渡したものの種類や数量、品質などが契約内容と異なる場合に、売主が負う責任です。
たとえば、注文とは違う品物が届いたり、個数が違っていたりすると、売主は責任を問われます。
不動産売却においては、種類や数量が異なることはほぼないでしょう。
ただし、不動産の品質が契約内容と異なっていて、責任を負うリスクはあります。
具体的には雨漏りやシロアリ被害、騒音や異臭を感じる環境、過去に物件内で起きた殺人事件などを契約書に記載せずに売却すると、責任を負う可能性が高いでしょう。
不動産売却において契約不適合責任を負うと、買主から追完請求や代金減額請求などをされてしまいます。
追完請求とは、契約どおりのものの引き渡しを求めることであり、雨漏りやシロアリ被害が発覚した場合などに請求されます。
追完請求に応じられない場合は代金減額を求められ、それでも解決できないと、契約解除や損害賠償請求などの事態になってしまう可能性があるでしょう。

民法改正で契約不適合責任に変わった背景とは

契約不適合責任は、2020年4月の民法改正の際に、それまでの瑕疵担保責任が改められた制度です。
なぜ民法改正によって改められたのか、そのおもな背景は2つ挙げられます。
1つ目は、民法改正前の「瑕疵担保責任」は、意味がわかりにくかったことです。
瑕疵は「かし」と読み、傷や欠点などを意味する言葉です。
読み方が難しいうえ、日常ではあまり使われない言葉であったため、わかりやすい言葉に変更されました。
2つ目は、中古住宅の流通を促進することです。
民法改正前は隠れた瑕疵が対象で、売主が気付かなかったものに限られていました。
それを、「契約内容と異なるもの」に変更して売主の責任の範囲を広げることによって、買主が購入しやすい環境を作り、流通促進につなげるねらいがあります。

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契約不適合責任と瑕疵担保責任のおもな違い

契約不適合責任と瑕疵担保責任のおもな違い

民法改正によって、瑕疵担保責任から契約不適合責任に改められた背景には、2つの事情がありました。
では、2つの制度には具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
おもな違いについて、確認しておきましょう。

2つの制度の違い①法的性質

瑕疵担保責任の時代、不動産売買は法定責任であり、売主の責任は対象の物件を引き渡すことでした。
瑕疵のない物件を引き渡す義務はなかったので、瑕疵があったときの買主の救済措置として、瑕疵担保責任が設けられていました。
一方、契約不適合責任は債務不履行責任であるため、売主には契約内容と相違しない物件を引き渡す義務があります。

2つの制度の違い②責任を問える要件

瑕疵担保責任では、隠れた瑕疵が見つかった場合に売主は責任を問われました。
契約不適合責任では、契約内容と合致していない場合に責任を問われます。
その瑕疵が隠れていたかどうかは関係なくなったことが、大きな違いです。

2つの制度の違い③適用される範囲

瑕疵担保責任の時代は、売主が責任を負うのは契約締結までに生じた瑕疵でした。
そのため、契約締結から物件を引き渡すまでの間に瑕疵が生じても、売主は責任を問われませんでした。
契約不適合責任の適用範囲は、契約履行時までです。
つまり、引き渡しまでに問題などが生じて、契約と合致しない状態になった場合、売主は責任を問われます。

2つの制度の違い④買主が請求できる権利

瑕疵担保責任では、買主が請求できる権利は契約解除と損害賠償請求の2つでした。
契約不適合責任においては、買主は「追完請求」「代金減額請求」「催告解除」「無催告解除」「損害賠償請求」の5つを請求できます。
万が一のときに、買主はさまざまな対応を請求できるようになりました。

2つの制度の違い⑤損害賠償請求

2つの制度は、どちらにも買主が請求できる権利に損害賠償請求があります。
けれど、応じる必要のあるケースは違います。
瑕疵担保責任は、生じた問題が売主の故意や過失ではなくても、応じなくてはなりませんでした。
契約不適合責任では、売主の故意または過失によって問題が生じた場合のみ、損害賠償請求が認められます。

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不動産売却時に押さえておきたい契約不適合責任に関するポイント

不動産売却時に押さえておきたい契約不適合責任に関するポイント

先述のとおり、現在不動産売却をする場合、売主には契約内容と相違しない物件を引き渡す義務があります。
引き渡した物件が契約内容と異なると、契約不適合責任を問われてしまうかもしれません。
そのような事態を避けるためには、ポイントを押さえておくことが大切です。
そこで、不動産売却の際にとくに押さえておきたい3つのポイントについて、確認しておきましょう。

不動産売却の際のポイント①瑕疵はもれなく記載する

責任を問われる事態を避けるためには、不動産にある瑕疵をもれなく記載することが大切です。
それも、売主が把握している既知の欠陥だけではなく、不動産の正確な状態を記載しなくてはなりません。
ご自身で物件の状態を把握することが難しい場合は、インスペクションの実施がおすすめです。
インスペクションとは、専門家によっておこなわれる住宅の調査です。
5万円~10万円ほどの費用はかかりますが、専門家による調査結果があると、売主だけではなく買主の安心にもつながるでしょう。
なお、契約不適合責任の対象には、物件自体にある瑕疵だけではなく、周辺環境の瑕疵なども該当します。
たとえば、近くの工場からの騒音や異臭がある場合は、その旨を記載せずに売却すると、責任を問われる可能性があります。
物件自体の瑕疵はインスペクションで確認できますが、それ以外についてはご自身でしっかりと確認して、もれなく記載しましょう。

不動産売却の際のポイント②設備に関する責任は負わない

設備は故障や不具合が発生しやすいので、契約不適合責任の対象にしてしまうと、責任を負うリスクが高まってしまいます。
そのため、設備に関しては責任を負わない取り決めをすることが一般的です。
あとからトラブルにならないように、契約書にその旨をきちんと記載しておきましょう。

不動産売却の際のポイント③免責特約を設ける

民法で定められている契約不適合責任の時効は、原則として10年です。
けれど、不動産売却後に責任を負う可能性のある期間が10年も続くことは、売主にとって大きな負担でしょう。
そのため、期間に関しては免責特約を設けることが一般的です。
免責特約を設ける場合、期間は3か月ほどにすると良いでしょう。

まとめ

2020年4月の民法改正によって、瑕疵担保責任は契約不適合責任に改められました。
2つの制度には、法的性質や責任を問える要件など、さまざまな違いがあるので注意が必要です。
契約不適合責任を負わないためには、不動産にある瑕疵を契約書にもれなく記載するなどのポイントをしっかりと押さえて売却しましょう。
山口県の不動産売却・買取再販は株式会社リプラスにお任せください。
不動産売却をご検討の方に向けて、リフォーム・リノベーションまで一気通貫の買取再販をご提案しております。
所有している不動産でお悩みごとがございましたら、ぜひ株式会社リプラスまでお問い合わせください。


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