2025-01-28
事故物件を売却する際に、買主に物件の瑕疵について伝えなければ、告知義務違反となり売主は多くのリスクが生じることになります。
買主とトラブルにならないためにも、事前に告知義務が必要なケースやリスクについて把握しておくと良いでしょう。
そこで、事故物件における告知義務違反とはなにか、告知義務違反のリスクや欠陥がある物件を売却する際のポイントを解説します。
山口県・福岡県全域で事故物件の売却をご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
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不動産を売却するときは、建物や土地の状態を買主に伝える義務があります。
これは「告知義務」と呼ばれ、不動産に欠陥や不具合がある場合だけでなく、心理的に嫌悪感を抱かれるような事故物件について告知しなければなりません。
この告知を怠ると、告知義務違反となり、法的責任を問われる可能性があるため注意が必要です。
ここでは、そもそも告知義務とは具体的にどのようなものかを解説します。
告知義務とは、事故物件をはじめ何らかの瑕疵がある物件である場合に、買主に対してその事実を伝えなければならない義務のことです。
告知義務のある不動産の瑕疵は以下のように4つの種類に分類されます。
このような瑕疵がある場合は、必ず買主に伝える義務があるため注意しましょう。
事故物件は、自殺や殺人などが発生した物件のことで、心理的瑕疵に該当します。
これまで、事故物件のような人の死にかかわる告知義務については、明確な基準はありませんでした。
しかし、買主とトラブルになるケースが多く、未然に防止するために定められたのが「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」です。
ガイドラインでは、買主の購入判断に影響を及ぼす可能性がある場合に、告知義務が生じると記載されています。
事故物件で告知が必要なのは、自殺や他殺、事故による死亡の場合です。
一方で、不慮の事故や自然死については、告知義務はありません。
ただし、自然死でも長期間放置されていたような場合は、告知義務が発生するため注意が必要です。
なお、告知義務が必要な期間は、売買と賃貸とで異なります。
売買の場合は、告知期間は無制限で告知義務期間の3年を過ぎても告知が必要になります。
一方で、賃貸の場合は、おおよそ3年を経過するまでが告知が必要な期間です。
ただし、社会に大きく影響を及ぼしたような事案は、3年を超えても告知が必要になるため注意しましょう。
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前述したように、不動産売買では、欠陥や不具合について買主にきちんと伝えて説明する義務があります。
この義務を怠った場合は、告知義務違反となり、契約不適合責任に問われるため注意しましょう。
契約不適合責任とは、契約内容と異なるものを引き渡した際に、売主が負う責任のことです。
ここでは、告知義務違反をおこない契約不適合責任に問われた際のリスクについて解説します。
買主に物件を引き渡したあとに事故物件が発覚し、それでも買主が契約を継続する意向がある場合に、事故による物件価値の下落分に相当する補償を売主に請求することができます。
価値の減少分を算定し、その金額を売主が買主に支払う形でおこなわれることが多いです。
売主に補償請求をおこなったものの売主がそれに応じなかった場合は、買主は事故による物件価値の低下を理由に購入代金の減額を売主に求めることができます。
この場合、売主・買主双方の合意のもとで購入代金から一定の減額がおこなわれることになります。
事故物件の告知義務違反によって、ほかの物件を購入するための追加費用が発生したり、買主が精神的苦痛を受けたりした場合は、売主に対して損害賠償を請求される可能性があります。
この請求は、経済的損失だけでなく、心理的苦痛を与えた場合に対しても請求されることがあります。
売主は、事故物件の告知義務違反を理由として、買主から契約解除を求められる可能性があります。
契約解除が成立した場合は、買主に購入代金の返還をおこなわなければなりません。
また、契約解除にともなう諸費用の返還も請求される可能性があります。
さらには、損害賠償も同時に請求されてしまうケースもあるため注意が必要です。
このように、告知義務違反をおこなうと、売主とって大きな負担となるため、必ず瑕疵がある場合は事前に伝えておくようにしましょう。
\お気軽にご相談ください!/
最後に、事故物件をスムーズに売却するための方法やポイントを解説します。
事故物件を売却する際は、できるだけ心理的な負担を軽減することが大切です。
たとえば、室内に床や壁にシミが残っていたり、においが残っていたりすると、購入したいと思う買主はいないでしょう。
そのため、少しでも嫌悪感を和らげるためにも、事前に特殊清掃をおこなっておくことをおすすめします。
特殊清掃とは、事故による血液や体液などをキレイに除去し、原状回復するサービスのことです。
とくに、長期間発見されなかったようなケースは汚れや異臭が残っている可能性があります。
特殊清掃であれば、そのような異臭も取り除くことが可能です。
業者によっては、特殊清掃と現場供養まで対応しているところもあります。
事故物件の場合は、一般的な市場価格で売り出しても、なかなか購入希望者は現れません。
そのため、ある程度値引きして売り出すことがポイントです。
どの程度値引きが必要かは、心理的瑕疵の内容によって異なりますが、自殺や事件が起きた物件は買い手がつきづらいため30~70%程度必要となるでしょう。
ただし、値引きする際に注意すべきことは、最初から大幅な値引きの提示は避ける点です。
また、本来の物件価格と事故物件による値引き額を明確にしておくのもおすすめです。
買主の希望によって、さらに値引きすることもありますが、それで買い手が見つかるのであれば、やむを得ない取引といえるでしょう。
事故物件の売却を考えているときは、リフォームなどをおこなう前に不動産会社に相談をしましょう。
なぜなら、購入希望者のなかには、物件を安く購入して自分好みにリフォームしたいと考えている方も一定数いるためです。
事故物件はリフォームしなくては売れないと考えてしまうかもしれませんが、一概にそうとはいえないので注意しましょう。
事故物件などの物件に瑕疵や不具合がある場合は、必ず告知義務が発生します。
告知義務を怠ると、契約解除や損害賠償を請求される可能性があるため注意が必要です。
また、事故物件を売却する際は、不動産会社と相談しながら進めると、スムーズな売却が期待できるでしょう。
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