2024-03-19
初めて不動産を売却する際は「途中でキャンセルできるのか」と心配になりますよね。
本記事では、不動産売却は手続きの途中でもキャンセルできるのか、キャンセル時の違約金の相場や流れと方法について解説します。
山口県と福岡県全域で不動産売却を検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
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「買主が見つかったが値引き交渉されたため、売却したくない」や「もっと高く買ってくれる方が現れたので売買契約を解除したい」などの理由で不動産売却をキャンセルできるのか気になりますよね。
結論から申し上げると、不動産売却は手続きの途中でもキャンセル可能です。
売買契約が成立していた場合でも、特別な事情があればキャンセルできます。
不動産取引では、売買契約時に買主が手付金を売主に渡します。
契約解除ができる期間中でも買主がキャンセルする場合は手付金は返済されません。
一方で、売主がキャンセルする場合は受け取った手付金の2倍の額を買主に返金する必要があります。
そのほか、キャンセルを告げるタイミングによっては違約金が発生することもあります。
違約金が発生するケースと発生しないケースは、以下のとおりです。
不動産売却の初期段階では、一般的に不動産会社による訪問査定があります。
もし査定後に条件に納得がいかないなどの理由でキャンセルしたい場合、違約金は発生しません。
訪問査定後、不動産会社に不動産売却の仲介を依頼する場合は、媒介契約を結ぶことになります。
媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。
一般媒介契約は複数の不動産会社と契約でき、契約期間も通常3か月以内です。
一般媒介契約を結んだ場合は、売却活動中でも不動産会社に違約金を支払うことなくキャンセルできます。
宅地建物取引業法に基づき、買主との売買契約が成立しない限り、仲介手数料が発生しないためです。
売却活動中、購入希望者から買付証明書(購入申込書)を受け取ることがあります。
買付証明書は、購入価格や手付金の額などの条件を示して「この条件で購入したい」と購入の意思を表す書類ですが、法的な拘束力はありません。
そのため、この段階で売主側または買主側がキャンセルしても違約金の支払いは不要です。
不動産会社と「専属専任媒介契約」や「専任媒介契約」を締結した場合、契約期間内のキャンセルは違約金が発生します。
上記の媒介契約は、1つの不動産会社とのみ契約を結び、売却活動を進める形態です。
契約期間は3か月以内となり、この期間内に契約を解除すると、違約金が発生する可能性があります。
また、契約解除に際して、不動産会社が負担した広告費や交通費などの費用の返還を求めることもあります。
また、買主と売買契約が成立した後も、法的な拘束力が発生し、キャンセルすると違約金が発生するのが一般的です。
買主から買付証明書を受け取り、申し込みに対する受渡承諾書を買主に交付した段階では、まだ売買契約が成立していないため、違約金は発生しません。
ただし、買付証明書や受渡承諾書を交付した段階で売買契約が成立したとみなされるケースもあります。
その場合でも、信頼利益程度の損害が認定されることが一般的です。
信頼利益とは、取引が成立すると信じた事による損害(手続きにかかる諸費用など)を指します。
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違約金の相場は、どのタイミングで不動産売却をキャンセルしたかによって異なります。
ケース別の違約金の相場は、以下のとおりです。
専属専任媒介契約または専任媒介契約は、1つの不動産会社に依頼して買主を探します。
媒介契約期間内に解約する場合、通常は売却活動にかかった広告宣伝費や営業費等の実費を違約金として請求されます。
しかし、これらの費用には上限が設定されており、通常は契約で定められた仲介手数料の額が上限です。
仲介手数料の上限は売買代金によって以下のように異なります。
たとえば、売却予定価格が1,000万円であれば、違約金の上限(仲介手数料の上限)は39万6,000円(税込)になります。
なお、400万円以下の空き家等の場合は、最大18万円+消費税が仲介手数料の上限です。
売買契約後は、手付金の倍額と違約金の支払いが必要です。
さらに、不動産会社から仲介手数料を請求される可能性があります。
これは、手付倍返しによるキャンセルが「一度成立した売買契約を売主の都合で解除する」と解釈されるためです。
違約金の相場は「契約の履行」に着手しているかどうかによって異なります。
売主は所有権移転の手続き、買主は中間金や残代金の支払いなどが「契約の履行」とみなされます。
相手方が契約履行に着手している場合、キャンセルするためには違約金または損害賠償金の支払いが必要です。
違約金の具体的な額は、売買契約書に記載されている取り決めにしたがいます。
取り決めは、主に「損害賠償額の予定」と「違約罰」の2種類です。
損害賠償額の予定は、契約書に定められた金額を、実際の損害がその額を上回るか下回るかに関わらず支払います。
契約書に特別な定めがなければ、通常はこのタイプの取り決めが適用されます。
違約罰の場合は、実際に発生した損害にくわえて、契約で約束された金額を罰金として支払う取り決めです。
違約金の相場は、一般的に売却価格の約10%が目安とされています。
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不動産売却のキャンセルは、媒介契約の種類やタイミングによって異なる注意点があります。
とくに専属専任媒介契約や売買契約後のキャンセルは、慎重に手続きを進める必要があります。
ケース別の手続き方法と流れは、以下のとおりです。
一般媒介契約は、複数の不動産会社と契約を結べるため、比較的に契約の柔軟性が高いです。
キャンセルは一般的に、電話1本でおこなえます。
ただし、口頭でのキャンセルだと、トラブルに発展する可能性もあるため、書面で伝えたほうが良いでしょう。
専属専任媒介契約・専任媒介契約は、1社の不動産会社と専属で契約するため、一般媒介契約よりも契約の縛りが強いです。
キャンセルの際は、書面による通知でおこないます。
電話でのキャンセルも法的に有効ですが、後のトラブル防止のためにも、書面での証拠を残すことが重要です。
書面には、作成した日付、契約解除を通知する文面、解除理由などを明記します。
売買契約が成立した後のキャンセルは、契約違反がなくても両方の当事者から申し出ることが可能です。
しかし、契約の履行に着手している場合は、経済的・時間的な負担が発生する可能性があります。
早期の解約を希望する場合は、契約の履行に着手する前に、仲介の不動産会社へ迅速に連絡することが重要です。
不動産会社が介入すると、当事者間の解決がスムーズに進むことが期待できます。
買主と売主の間で話し合いをおこない、合意に至ることが望ましいですが、場合によっては法的なアドバイスを受けることも検討する必要があるでしょう。
不動産売却は手続きの途中でもキャンセルできるため、ご安心ください。
ただし、専属専任媒介契約や専任媒介契約を締結後、契約期間内にキャンセルする場合や売買契約後のキャンセルする場合は違約金が発生します。
トラブルを防ぐためにもキャンセルの申し入れは、書面でおこなうようにしましょう。