2026-08-18

兄弟や親族と一緒に不動産を共有名義で相続する予定があるものの、意見の対立や将来のトラブルに対して漠然とした不安を抱えていませんか。
解決を先延ばしにして共有状態のまま放置すると、いざ売却したい時に他の共有者の反対で手続きが制限されるだけでなく、固定資産税や維持費の負担で揉めるリスクが高まります。
本記事では、共有名義における持分割合などの基本知識や発生しやすい3つの壁について触れ、売却益を公平に分配する代償分割・換価分割などの具体的な回避策をわかりやすく解説いたします。
今後の相続において親族間のトラブルを未然に防ぎ、誰もが納得できる円満な手続きを進めたい方は、ぜひご参考になさってくださいね。
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共有名義の不動産相続にあたっては、主におさえておくべき基本知識があります。
まずは、共有名義の定義や持分割合、登記のポイントについて解説していきます。
共有名義とは、1つの土地や建物について、複数の相続人が持分に応じた所有権を持つ状態です。
各共有者は部屋や土地の一部を個別にではなく、不動産全体に対する権利の割合を持ちます。
また、持分が小さくても共有物全体を使用できますが、単独利用では他の共有者との調整が必要です。
一方、不動産全体の売却など重要な変更には、原則として共有者全員の同意が求められます。
そのため、固定資産税や修繕費の負担割合、利用方法を確認し、共有者間で書面に残しておくと安心です。
持分割合は、遺産分割協議で合意して決める方法と、法定相続分に沿って決める方法があります。
たとえば、父が亡くなり母と子ども2人が相続する場合、法定相続分は母が2分の1、子どもが各4分の1です。
また、協議で決めた割合は遺産分割協議書へ明記し、持分の合計が1になるよう確認しましょう。
登記には戸籍関係書類や住民票、固定資産評価証明書、遺産分割協議書などが必要です。
さらに、名寄帳や登記事項証明書も確認すると、相続不動産の見落としや地番・家屋番号の記載ミスを防ぎやすくなります。
2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続したと知った日から3年以内の申請が必要です。
また、遺産分割協議が成立した場合も、成立日から3年以内に協議内容に沿った登記を申請しなければなりません。
2024年4月1日より前に発生した相続も対象となり、申請期限は原則として2027年3月31日までです。
ただし、正当な理由なく期限を過ぎると、10万円以下の過料が科される可能性があります。
そのため、協議が長引く場合は相続人申告登記の利用も含め、司法書士へ相談して期限内の対応を進めましょう。
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前章では共有名義の基本について述べましたが、実際にはいくつか乗り越えるべき壁が存在します。
ここでは、協議の停滞や管理負担など、共有名義相続が抱える問題について解説します。
遺産分割協議では全員の合意が必要なため、不動産を残したい方と売却したい方の間で意見が分かれがちです。
また、親の介護を担った方が寄与分を主張したり、生前贈与を受けた方の特別受益が論点になったりすることもあります。
法律上の相続割合が公平に見えても、家族ごとの貢献や思い入れによって受け止め方は異なるでしょう。
そのため、感情や過去の不満だけで進めず、不動産の評価額や利用希望など客観的な情報を整理することが大切です。
話し合いが難しい場合は、弁護士や司法書士など第三者を交え、全員が納得できる条件を探ると進めやすくなります。
共有不動産全体の売却は重要な変更行為にあたるため、原則として共有者全員の同意が必要です。
たとえば、共有者5人のうち4人が賛成しても、1人が反対すれば不動産全体を売却できません。
また、認知症で意思確認が難しい方や連絡が取れない方がいると、必要な手続きが増えて売却まで長引く可能性があります。
一方、自分の持分だけなら単独で売却できますが、利用上の制限があるため一般の買主は見つかりにくいでしょう。
そのため、共有物分割請求へ進む前に、売却条件や利益の分け方を具体的に示し、早めの合意形成を目指すことが大切です。
共有不動産の固定資産税や都市計画税は、共有者全員が連帯して納付する義務を負います。
しかし、納税通知書は代表者1人へ届くことが多いため、持分に応じた精算方法がないと負担が偏りやすくなります。
また、空き家では税金や保険料だけでなく、清掃、庭木の手入れ、屋根や外壁の修繕費も必要です。
そのため、支払日や負担割合、管理担当者を共有者間で決め、合意内容を書面に残しておきましょう。
管理不足が続くと自治体から管理不全空家等や特定空家等として指導を受け、住宅用地の特例に影響する可能性もあるため注意が必要です。
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ここまで共有名義のリスクを解説しましたが、トラブルを回避する解決策も、しっかりとおさえておきましょう。
最後に、代償分割や換価分割を用いて、公平に財産を分配する方法について解説していきます。
代償分割とは、相続人の1人が不動産を取得し、代わりに他の相続人へ持分に見合う代償金を支払う方法です。
実家を残したい場合や、すでに住んでいる相続人が引き続き利用したい場合に選びやすいでしょう。
まずは不動産の評価額を確認し、代償金の金額や支払期限、支払方法について全員で合意します。
また、遺産分割協議書には代償分割であることを明記し、通常の贈与と誤解されないよう整えることが大切です。
ただし、資金不足も考えられるため、預貯金だけでなく専用ローンや不動産担保ローン、他の資産の売却も比較して準備しましょう。
換価分割とは、相続した不動産を売却して現金化し、諸費用を差し引いた残額を相続人で分ける方法です。
現物では分けにくい不動産を金銭で調整できるため、公平な分配を目指しやすい点がメリットです。
まずは遺産分割協議で売却方針と分配割合を決め、相続登記を済ませてから不動産会社へ売却を依頼します。
また、代表者名義で登記する場合は、換価分割のための便宜的な名義であることを協議書へ明記しましょう。
不動産会社は査定額だけでなく、相続物件の実績や説明の分かりやすさ、司法書士や税理士との連携体制も確認すると安心です。
相続不動産を売却して利益が出ると、売却額から取得費や譲渡費用を差し引いた譲渡所得に税金がかかります。
取得費が分からない場合は、売却額の5%を概算取得費として計算できますが、税額が高くなることもるため注意が必要です。
また、所有期間は亡くなった方の取得時期を引き継ぎ、売却年の1月1日時点で5年を超える場合は長期譲渡所得となります。
さらに、一定期間内の売却では、納めた相続税の一部を取得費へ加算できる特例を利用できる場合があるため事前に確認しておくと安心です。
そのため、売却代金を分ける前に仲介手数料や登記費用、譲渡所得税を試算し、各相続人の手取り額を確認しましょう。
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共有名義の不動産相続において持分割合の決定や必要書類の準備は重要であり、2024年4月からは3年以内の相続登記が義務化されています。
共有状態のままでは遺産分割協議での意見対立が起きやすく、売却時の全員同意の壁や複雑化する維持管理費用の負担といった問題が生じます。
トラブルを防ぐためには、代償金を用意して単独で相続する代償分割や、不動産を売却して現金を公平に分ける換価分割を活用するとよいでしょう。
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